昨日の日曜日、私は神戸大学六甲ホール会議室で行われたワークショップに参加しました。 「文化ボランティア」と言う聞き慣れない言葉に興味を持ったからです。 私は2年前からボランティア活動を始めましたが、いつも不満を感じていました。 ボランティアというのは、いわば無償の行為です。それだけに目的がなければ出来ません。 この2年間、人生の最後の死に花を咲かせたいと、やり始めたボランティアですが、 やればやるほど欲求不満が募るばかりでした。こんな程度でいいのかと思うのです。 まるでやり甲斐が感じられないんです。
障害者や高齢者の介護は、正直、性に合わないと思いました。全然楽しくないんです。 神鋼病院の病院ボランティアなどは、まるで老人の暇つぶし程度で、全く当てにされていません。 つまりボランティアとは、体の良い「ただ働き」扱いで、いてもいなくても同じなのです。 ほんのちょっと風邪気味になった程度で、強制的に休まされました。 院内感染の危険があるからだそうです。これじゃやる気が出て来ません。
阪神大震災であれほどの威力を発揮したボランティアが、10年経つとこの有様ですから、 ボランティアに対する評価は、まだ日本には定着していないんだと思わざるを得ません。 世間の評価は、「人件費のかからない労働力」程度の評価です。これじゃやってられません。 無償の行為だからこそ、やってやり甲斐を感じなければ、やる意味がありません。 そんな思いから参加したのが、「神戸ビエンナーレ2007」でした。
ところがここでも欲求不満が募ってきたのです。官制イベントのお粗末さを見たんです。 「ビエンナーレ」とは「2年に1度」というイタリア語なんだそうですが、 「神戸ビエンナーレ2007」もすでに2年前からスタートしています。 私が参加したのは3月で、オープン半年前です。相当準備が進んでいると思っていました。 だから私はその一員に加えてもらえれば、イベントの楽しさを満喫できると期待したんです。 ところがなんと、広報活動はまだこれからだと言うんです。ちょっと呆れました。
もう半年前なんですよ。10月6日から51日間にわたって開催される、一大イベントなのに、 このお粗末さは何だろうと思いました。「広報紙の編集を手伝ってくれませんか?」と言われて、 初めて参加した編集会議で、広報紙の貧弱さに驚きました。 「A3判裏表1枚の単色刷」でたった5000枚発行なんです。5000枚なんて微々たるものです。 世に溢れているカラー印刷物に埋もれてしまえば、無いも同然です。 しかもこの5月に創刊号を出すと言うんですから、まだその程度なのかと驚きました。
公式サイトを覗いてみると、コンペティションが7つ、展示&イベントが7つと数多いのに、 ボランティアの人数はこの5月で、やっと100人を超えた程度。本番には最低300人は必要です。 しかもこのイベントは無料じゃありません。入場料を取るんですよ。 下手をしたら、観客はまばらで、ボランティアばかりが目立つなんてことになりかねません。 神戸市の他のイベントに独自のブースを設けたり、神戸まつりにチーム参加をしたりしますが、 いつも集まるボランティアの人数は10数人、30人と集まってはいません。
こんな危機感から、私はサポーターサイトを立ち上げたんです。 このインターネット時代にネットの活用を無視することは出来ません。 でもオフィシャルサイトは、まさにお役所ページ。無味乾燥な文字の羅列で、目立たない。 項目は多いのに内容がお粗末で、これでは「見に行こう」と言う気にはなれません。 無料ならともかく、お金を払ってまで見に行く人がいるとは思えないんです。 せめて出展作品のモチーフなり、作家の意気込みなりを伝えて、 「面白そうだ」と見に行く気にさせるには、作品紹介をカラフルに表示することです。
私はこの4月からあるお役所の外郭団体でバイトを始めました。 そこでも同様のお役所仕事を見せつけられました。採算を度外視した広報活動です。 まるで「この通り、やるべきことはやってます」と形だけは整っているが、中身が薄いんです。 広告効果などはお構いなし。「やるだけやったけど、結果はこの通りです」と言う言い訳ですね。 民間企業では考えられない効率の悪さです。これじゃまさに税金の無駄遣いです。
そんなジレンマを抱えて、昨日のワークショップに参加したんです。 そこで感じたのは、「これぞプロ」でした。NPO法人「文化創造」社長の佐野光徳氏の話。 5年前の2002年に始まった「富士山河口湖音楽祭」は、人口わずか15,000人の富士河口湖町に、 観客席3000席のステラシアターが出来たことに端を発する。 99%無理だと言われた3000席の動員を可能にしたのは、ボランティアの力だった。 目的を持ったボランティアの力の凄さは、佐野氏と元文化庁長官河合隼雄氏と 「地元の町のおばちゃん」の3人の雑談から始まった。
この「町のおばちゃん」の行動力はすごかったそうだ。やるとなったら、何が何でもやる実行力。 河口湖町の町長や収入役を動かした。佐野氏は指揮者佐渡裕氏を口説き落とした。 寄付集めにも奔走して、2億円を集めた。ボランティアを300人動員した。 そしてこんな片田舎の音楽祭が今年で6回目を数える。 「富士山河口湖音楽祭2007」実行委員会が発行するリーフレットは豪華だ。 会期は8月11日から19日の8日間。観客動員数は正確には分かりませんが、毎回満席のようです。
「神戸ビエンナーレ2007」は11月25日で終わります。 ボランティア動員数は何人になるか判りませんが、多分2年後まではいったんは解散でしょうね。 折角集まったイベント・ボランティアです。このまま解散するのは惜しいと思いませんか? 2年後にまた募集するのは大変です。何とかこのボランティア集団を維持できないかと考えたのが、 私のホームページ「紫陽花倶楽部」の活用です。
ボランティアをする人々の思いは、多分自己実現だと思います。 自分のやりたいことは何だろうか? 何を目指したらいいのか判らないから、 とりあえずボランティアに参加したと言う人も多いんじゃないかと思います。 そんなボランティアスタッフたちの秘かな思いを公開できる場があればよいと考えました。 とりあえず自分の趣味やこだわりを書いて公開する場があれば、そこから発展して、 次のステップに進めます。私のホームページをそんな人々に提供しようと考えたんです。
次の「神戸ビエンナーレ2009」までの2年間、自己表現の場を確保しながら、 いろんなイベントに関わりを持っていけば、イベント参加のノウハウを作れます。 佐野光徳氏がやったことも、現場経験の実績の積み重ねでした。 それが「文化ボランティアの育成」なんですね。 テーマ:私たちにできること - ジャンル:福祉・ボランティア
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